覚えのない生前贈与を認定された結果、一審判決で遺留分侵害額としてまとまった金銭の支払いを命じられ、控訴審の訴訟を依頼し、一審判決より少ない金額での和解が成立したケース
相談前
私は長男で、父と同居していました。父が亡くなりましたが、遺産は不動産以外にはほとんどありませんでした。自宅不動産は遺言により私が相続しました。そうしたところ、父の年金を私が管理していたとの理由で、数十年間に3000万円の年金収入があり、それを生前贈与として受け取っていたと他の兄弟たちが主張し、弁護士をつけて訴訟(遺留分侵害額の請求訴訟)を起こしてきました。私は、確かに父の年金を管理はしていましたが、私と父は生計を共にしていて、父の年金も生活の中で消えていったので、生前贈与でもらったものなどはありませんでした。私は、生前贈与を受けた覚えがなく、真実は裁判を通じて明らかになると信じ、一審の裁判を自分で行いました。裁判は弁護士に依頼されなくてもできるので、自分だけで裁判を行いました。ところが、一審判決では、私が3000万円生前贈与を受けたということが認定され、遺留分として多額のお金の支払いを命じられてしまいました。私は困って、早急に弁護士に相談しました。
相談後
弁護士に相談し、裁判は、客観的な証拠により判決がなされるので、証拠の提出方法や、主張の仕方によっては、真実が裁判官に伝わらず、納得できない結論に至ることがあると説明を受けました。一審判決で予想外に敗訴した場合には、急いで控訴し、高等裁判所で再度裁判に挑戦した方がいいと知り、控訴審を依頼しました。控訴審では、生前贈与は実際にはなかったと専門的にしっかりと主張してもらい、細かい客観的事実を積み重ねて立証してもらいました。その結果、一審判決で命じられた支払額を大幅に下回る金額を支払うという内容で、和解することができました。