遺産分割協議・調停 | 千葉県船橋市の相続の経験豊富な弁護士

遺産分割協議・調停

相続紛争

「家族関係は良好で、見るべき資産もない。だから、我が家は相続争いとは無縁だ」とお考えの方が多いのではないでしょうか?
しかし、まったく財産がなければともかく、少額の遺産を巡って紛争がおこることも珍しくありません。事実、家庭裁判所で扱われる遺産分割事件の約4分の3が遺産総額5000万円以下の事件であり、遺産総額1000万円以下の事件が約3分の1を占めます。その多くが不動産に関するもので、1件あたりの不動産価格を考えれば、財産が自宅のみであったとしても、相続紛争に巻き込まれる可能性が十分あります。
ここでは、相続紛争に発展しやすい要因とその対策、そして、実際に紛争に発展した場合のその後の展開について説明します。

要因

①不動産に関するトラブル

不動産は分割が困難で評価も難しいため、相続紛争の多くが不動産に関するものです。
さらに、相続人の1人が遺産を独占していることによるトラブルも見られます。
たとえば、被相続人と最後まで同居していた二男は、生活力がなく遺産である家に住み続けたいのに対し、長男と長女は、家の売却を進めたいということで二男を追い出そうとしている、といった事案です。

(対策)

遺言が効果的です。上記事案の場合であれば、家は二男に相続させるが、長男長女には現金や預貯金を多めに相続させる旨の内容の遺言があれば紛争を避けることができます。

②相続人の増加に伴うトラブル

限られた範囲の遺産を全相続人で分け合うことになるため、その相続人の数が増えるとおのずと各自の取り分が減ることになり、結果トラブルが生じます。
トラブルが起きやすい相続関係としてよく挙げられるのが、被相続人が複数回結婚したために相続人となる子が多数となり、子供間で、あるいは、前妻の子と後妻との間で相続争いが生じるといった場合です。
これ以外にも実際に多く相談を受けるのは、不動産名義が変更されずに祖父や曾祖父のままになっていたために、名義変更をしようとしたところ、相続人の数が20人を超えたというような事案です。

(対策)

やはり遺言が効果的です。遺言は法定相続より優先されるため、故人が指定した内容であれば、著しく不公平でない限り、相続人は受け入れざるを得ません。
そして、相続発生後は早期に相続登記をすることで、以後の相続人が増加するという事態を避けることができます。この点、遺言書で遺言執行者を選任しておき、遺言執行者が介入するようにすれば登記も含めて処理することになります。したがって、登記を放置するという事態を避けるためにも、遺言が効果的です。

③親族間における人的関係に起因するトラブル

相続人間で生前の貢献度が異なることがトラブルの原因になることがあります。
たとえば、長女が家を出て行った後に、二女が親の老後の面倒をみてきたので、その貢献に応じた遺産分割を要求したといった場合です。
介護や事業の手伝い等、特別な貢献があった場合に相続分を増やせる「寄与分」という制度がありますが、「寄与」を金額として評価することは非常に困難であり、相続人間での主張が対立することがしばしばです。

(対策)

ここでも遺言が効果的です。遺言があれば、遺留分侵害とならない限り、遺言上で各相続人の「寄与」を考慮した柔軟な遺産分割方法を決めることができるからです。
遺言がない場合、「寄与分」の金額を決めるには、まず、共同相続人間で協議しますが、これが不成立となった場合、家庭裁判所での遺産分割調停で話し合うことになります。訟廷の中でも「寄与分」をどう評価するか、話し合いが続けられます。調停成立とならない場合、審判(遺産分割審判)に移行します。最終的に数年かかることも珍しくありません。やはり遺言があれば早期に解決できます。

④事業承継が絡むトラブル

被相続人が営んでいた事業を一部の相続人が承継する場合に、他の相続人との間でトラブルが生じることが多くあります。事業用財産には不動産をはじめ、会社の備品、自己保有株や各種債権等があり、合計すると遺産の大半を占めるということも少なくありません。これを法定相続分に従ってきっちり分けてしまったのでは、当然事業は立ち行かなくなってしまいます。かといって、承継する相続人に代償金を支払う資金力があるとも限りません(代償金を払えないケースの方が普通です)。

(対策)

事業承継では遺言が極めて重要です。会社資産も法定相続の対象になってしまっては、事業承継の目的が達せられません。事業承継を円滑に進めるには、とくに遺言でその内容を明確にすることが不可欠です。

⑤遺言に関するトラブル

遺言書は存在するが、必要な署名押印がない、日付の間違い等の形式的理由や、作成当時の被相続人の判断能力に問題があったこと、さらには、全遺産を第三者に遺贈するといった著しく不公平な内容のために、トラブルになることもあります。

(対策)

遺言書の形式に関する不安は、公正証書遺言を利用すれば払拭できます。
遺言能力に関しては、判断能力に問題のない時点、つまり、できるだけ早期に遺言書を作成しておくべきでしょう。
また、内容が著しく不公平である場合には、遺留分侵害額請求をすることが可能です。

紛争発生後

まず、相続人間での話し合い(遺産分割協議)を行いますが、感情的になることも多く、また、対立が激しい場合も多いことから、遺産分割協議がなかなか前に進まないことも多いでしょう。そのような場合には、第三者の弁護士が入ることで冷静でかつ専門的立場から、相続人間の意見を調整しつつまとめていくことが期待できます。
それでも話し合いがまとまらない状況であれば、やむを得ず、家庭裁判所に対し、遺産分割調停の申立をすることになります。
遺産分割調停においては、家庭裁判所の調停委員が当事者の意見を聞いて、相続人間の意見調整を行います。税理士や不動産鑑定士などの専門家が遺産の評価などについて意見を述べることもあります。通常は複数回の調停期日(おおむね月1回開催)を重ね、相続人で合意ができれば、調停が成立します。調停の成立見込みがないときには、裁判所の判断で「調停不成立」となり、調停から自動的に審判(遺産分割審判)に移行します。
遺産分割審判においても、すぐに結論が出ることは少なく、期日をさらに重ねるのが通常です。裁判官が当事者の意見を聞いて(審問)、当事者が合意できるよう話し合いをすることもあります。当事者間の合意ができないときは、最終的には、裁判官が結論(審判)を出します。

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