遺産分割協議とは? 相続人同士で揉めないために知っておきたい基礎知識とポイント |千葉県船橋市の相続の経験豊富な弁護士

遺産分割協議とは? 相続人同士で揉めないために知っておきたい基礎知識とポイント

人が亡くなると、その人が所有していた財産を誰かが引き継ぐ必要があります。
本記事では、財産を分割するために必要な資産分割協議の基礎知識や進め方、揉めた場合の対処法などを解説します。
 

遺産分割協議とは?

遺産分割協議とは、人が亡くなったときにその財産を相続人同士で分割するために行う話し合いのことを指します。
相続において、亡くなった人のことを被相続人と呼び、財産を相続する権利を有する人のことを相続人と呼びます。
被相続人が残した財産は相続財産(遺産)です。
被相続人が遺言書を残していなかった場合は必ず遺産分割協議が必要です。
 

遺産分割協議を始める前の準備

遺産分割協議を始める前に、以下の準備が必要です。
 

相続人の範囲を知る

遺産分割協議にはすべての相続人が参加する必要があります。
相続人は民法で細かく指定されています。
被相続人の配偶者は常に相続人です。
それ以外の家族や親族については以下の通りです。
 

・被相続人の子ども

被相続人に子どもがいる場合は、相続人になります。
子どもが亡くなっている場合はその子どもが相続人になり得ます。
これを代襲相続といいます。
 

・被相続人の父母や祖父母などの直系尊属

被相続人に子どもがいない場合は、被相続人の両親や祖父母が相続人になります。
被相続人の両親がいずれも亡くなっている場合のみ、祖父母が相続人となります。
 

・被相続人の兄弟姉妹や甥、姪

被相続人に、子どもや親・祖父母がいない場合には、被相続人の兄弟姉妹が相続人になります。
兄弟姉妹が死亡等により存在しない場合には、甥・姪が相続人になります。
 

相続人を確定する

遺産分割協議を始める前に、相続人が誰なのかを明らかにしておく必要があります。
多くの場合、相続人は被相続人の戸籍を取り寄せるまでもなくわかるかもしれません。
しかし現在の家族が知らない子ども等が存在するケースもあります。
 
遺産分割協議以後の手続きでも求められますので、まずは被相続人の戸籍上の記録である除籍謄本(改製原戸籍を含みます。)を取り寄せましょう。
この場合、被相続人が生まれてから亡くなるまでのすべての除籍謄本が必要です。
基本的には、被相続人が亡くなったときの本籍地で除籍謄本を取り寄せ、そこから過去の除籍謄本・改製原戸籍を遡ります。
 

相続財産を把握する

被相続人の財産も調査しましょう。
遺産分割協議の際は、すべての相続財産について話し合う必要があります。
漏れがあった場合は、再び遺産分割協議を行う必要がありますので、漏れなく把握するようにしましょう。
被相続人の財産は、不動産や現金や預貯金、株式などの有価証券、自動車などです。
これらのプラスの財産に加えて、借金や保証債務といったマイナスの財産も相続財産となります。
把握できた相続財産は財産目録に記録しておきましょう。
 

遺言書の有無を確認する

被相続人が遺言書を残していた場合には、原則として遺言書に従って相続財産を分割することになります。
遺言書が存在していることやその保存場所が明らかな場合は問題ありません。
自筆証書遺言であれば家庭裁判所で検認の手続きを経てから開封しましょう。
公正証書遺言は開封して問題ありません。
 
公正証書遺言の有無は公証役場の遺言検索システムで確認できます。
また令和2年7月10日に自筆証書遺言保管制度がスタートしました。
被相続人がその制度を活用していれば、法務局で遺言書を確認できます。
 
遺言書があるかどうかわからない場合は、保管してありそうな場所を探しましょう。
本棚や仏壇など、被相続人が日頃から貴重品をまとめてある箇所を中心に探していくしかありません。
 

遺産分割協議の進め方

相続人と相続財産が確定したら、遺産分割協議を行います。
相続人全員が参加して、相続財産の分割方法を話し合いましょう。
民法には法定相続分という考え方があります。
法定相続分とは、民法で定められた相続人が財産を分割する割合のことです。
法定相続分は相続人の組み合わせによって変わります。
たとえば相続人が配偶者と子ども1人の合計2人場合の法定相続分は2分の1ずつです。
 
遺産分割は必ずしも法定相続分に従う必要はありません。
相続人同士で「実家は次男が引相続して、畑は長男が相続しよう」というように任意の方法で分割しても構いません
 

遺産分割協議書を作成して財産を分割する

遺産分割の方法が決まったら、その内容を遺産分割協議書にまとめます。
遺産分割協議書には、被相続人の氏名、生年月日、死亡日、本籍地、住所、相続財産の分割内容、相続人全員の署名と捺印が必要です。
遺産分割協議書を作成するときは、後から他の相続財産が見つかっても問題ない文言も付け加えておきましょう。
遺産分割協議書を作成したら、その内容にしたがって相続財産を分割します。
相続財産に不動産がある場合は、必ず相続登記を行いましょう。
相続登記は令和6年4月から義務化されます。
自分が相続によって不動産を取得したことを知ってから3年以内に登記の手続きを申請しましょう。
 

遺産分割協議がうまくいかなかったら

遺産分割協議で、相続財産の分割の割合や方法等の折り合いが付かなかったときに考えられる解決方法は弁護士への相談です。
弁護士は遺産分割協議における問題点を丁寧にヒアリングした上で、現実的な解決案を提案できます。
藤岡法律事務所では遺産分割に関する案件に力を入れています。
遺産分割協議でお困りの方はぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者

藤岡 隆夫弁護士 (千葉県弁護士会所属所属)

FUJIOKA TAKAO

千葉県は、特に相続問題が発生しやすい土地ではないかと感じています。東京に近い一方で、昔ながらの習慣が残っており、代々続く家を守ろうとする考え方は、現代の相続法と相いれない場面があります。相続問題は、よく言われますが、「我が家に限ってもめるはずがない」と考えていたのに巻き込まれてしまう、というケースが散見されます。いつ発生するか分からない問題です。また、将来のことを考え、遺言などで準備することもできます。西船橋駅を中心とした地域で相続・遺言などの問題にお困りの際には、是非とも一度、藤岡法律事務所までご相談下さい。

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